クローバー子供図書館は、昭和27年に郡山市に作られた長い歴史と伝統のある全国的にも有 |
名な子供図書館です。私達の診療所の入院病棟には平成5年から「クローバー子供図書館」の分 |
室が置かれ、200冊の本が定期的に交換して頂けるようになっております。 |
入院する子ども達の年令に合わせて、クローバー図書館の専門家が「子どもの心を育てる」 |
すばらしい本を選んで下さっております。 |
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子どもの入院には、必ずお母さん、お父さん、或いはおばあさん、おじいさんといった |
保護者の付き添いが必要です。入院したその時から家庭とは全く違った環境の生活が始まります |
が、それは子どもと保護者と「1対1」の非常に密着した生活が始まるわけでもあります。 |
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私達は病室にはあえて「テレビ」を置かないことにしました。 |
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それは入院した子ども達が心から願っていることは、お母さんやお父さんが「ずっと側にいて |
相手をして話をしてくれる」ことを、子どもたちから教えてもらったからでもあります。 |
お母さん達が側で本を読んであげる、子どもたちが自分で読む、そして想像を豊かにして親子の |
会話が広がって行く。そうした心と会話の連鎖が現在の生活環境で希薄化して来ているのではと |
私共3代続いて来た小児科医達は考えているからでもあります。 |
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子どもが実際に入院し、はじめはテレビがなく戸惑い、しかし本を読んであげる生活になって |
今までと全く違った大きな新しい発見をした保護者の自由記載ノートをまとめて平成10年に |
「テレビがない!! クローバー子供図書館分室ノートから」の小冊子を発行しました。 |
タイトルはノートに記載された一節から頂きました。 |
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翌年の平成11年米国小児科学会公衆衛生委員会は、メディア教育勧告の中で、 |
「子ども部屋にテレビを置かない環境に努力すべきである。何故ならこの年令ではテレビより |
両親や周囲の人達との直接の交流が脳の発達や情緒的発達をより促進し重要となるからである。 |
そして待合室や病室にテレビをやたらに置かないようにし、読書を促すような本の設置や本を読 |
んであげるように。」と勧告しました。 |
その後日本でも子どもの発達とメディアとの関係が問題視されるようになりました。 |
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「テレビがない!!」小冊子は7版になりました。 |